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UCHIDAOFFICEcatalogVol.74168木を使う。人を活かす。社会を動かす。内田洋行グループは、木と人と社会の関係を見つめ直し、さまざまなプロダクトやプロジェクトを通じて国産材の有効利用を推進してきました。日本の木を利活用することには、多様な意義があります。それは林業の活性化による地方創生と、ものづくり文化の継承・再生。山に人の手が入ることによる荒廃した森林の健全化。木質化された心地よい空間によるリラックス効果とコミュニケーションの活性化、ひいてはそこに集う人々の心身の健康。木と人と社会が、新しいかたちで再びつながりあうため、私たちはさまざまな取り組みを行っています。森と木木と暮らしつかう収穫する育てる植えるつくる材にする国産材を活用することは、森林の健全化につながります。森林が健全になると、生物多様性や自然環境の保全、土砂災害の抑制といった生態系サービスが強化されます。また、空間の木質化や森林育成によるCO2の固定化は、有効な地球温暖化対策です。さらに国産材を活用して林業を活性化していくことは、文化の継承・再生になり、地方創生へと繋がっていきます。社会へ貢献する国産材活用国産材活用による7つの社会的意義カーボンニュートラルとは二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて実質ゼロにすること。国は2050年までにカーボンニュートラルを実現すると宣言しています。また、国産材活用家具を長年ご愛用いただくことは、二酸化炭素を長く貯蔵し、「排出量」を抑えることにつながります。カーボンニュートラルに貢献1森林が二酸化炭素を吸収してくれることはよく知られています。しかし、森林も高齢化すると二酸化炭素の吸収率が下がります。「伐採・活用・植樹・育成」のサイクルを回すことで、森林が健全化し、効率よく二酸化炭素を吸収してくれるようになります。二酸化炭素を吸収してくれる2適切に管理された森には苔や草、シダ類などの下草や落葉などが堆積し、土壌生物を含んだ腐葉土層をつくります。この腐葉土がスポンジのようになって雨水をたくわえ、ゆっくりと浄化されながら地下水となります。森林は、きれいで豊かな水の源なのです。きれいで豊かな水の源に3森林の腐葉土層に含まれる多くの微生物は地下水に染み出し、川から海に流れ出すと、川や海の生き物に必要不可欠な栄養素となります。森林が適切に管理されれば、森林で暮らす動植物だけでなく、河口付近の生物の死滅を防ぎ海の生き物の生態系を守ることにも貢献できるのです。豊かな生態系を育んでくれる5森林は、木材やキノコなどの林産物、資材や燃料、食料など、さまざまな経済価値を生み出しています。また、観光やリクリエーションの場としても経済効果が期待されています。林業の活性化は、文化の継承・再生にもなり、地方創生に繋がっていきます。経済を豊かにしてくれる6日本人の約3割が花粉症に悩まされているといわれています。その解決のため、少花粉スギや無花粉スギの開発が進んでいます。国産材の積極的な活用が、従来のスギを伐採し新種のスギとの入替につながり、花粉症の軽減にもつながります。花粉症も軽減7腐葉土層のおかげで雨水がゆっくりと地面に浸透し、地下水となって川や海に流れるため洪水が起こりにくくなります。また適切に管理された森だからこそ、木々が地中深く根を張り巡らすことができ、それが土砂崩れの防止になっています。森林は自然災害から私たちを守ってくれているのです。土砂災害を防いでくれる4※令和3年10月に林野庁から発表された「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」より二酸化炭素貯蔵量の求め方※内田洋行納品分に限ります。ご要望に応じて、二酸化炭素貯蔵量を計算いたします。二酸化炭素貯蔵量(t-CO2)木材の材積(㎥)炭素含有率44/12密度(t/㎥)=×××国産材活用家具05木がつなぐものひろがる国産材活用の輪
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169当社の取り組みWEBGO国産材活用家具05高畠町立図書館様[山形県高畠町]CASE32019年7月、山形県高畠町に木質部分の99%を町産のスギで作った町立図書館が開設されました。建築工事では、工事業者が材料調達と施工を合わせて工事を行う場合が一般的ですが、公共案件では、年度予算で工事が進むため、地域木材の納期が間に合わず、すべてを地域材で賄うことは困難になります。当施設では、地域経済活性化のために、原木調達、製材および加工を地域で担うことにこだわり、設計段階から木材調達を進めました。その際の原木から各種建材にして納品するまでの監理はパワープレイス谷知大輔が行い、地域の事業者延べ17業者と交渉し、流通コーディネートや、品質・コスト・納期の管理に加えて、関係者のモチベーションの向上にも取り組みました。更に、施工場所を選んで節あり材を使うなど、地域材の歩留まりの向上のための工夫を行い、すべての事業者が適正な価格で仕事ができるようにしました。木材流通の最適化を通じて地場産業の活性化や人と人の絆の再構築を目指す「タニチシステム」は、今後の地域材の活用モデルとして注目されています。納品する地域や縁のある地域の地産材を伐採し、伐採地近くの工場で加工し、納品するまでの一貫したマネジメントシステムで地方を応援します。タニチシステム(木材活用マネジメント)見える業務見えない業務建築工事家具工事製材建材集成材造作材山森林組合木材活用マネジメント設計者発注者POWERPLACEInc.Allrightsreservedスケジュール管理トレーサビリティ品質管理カスケード利用コスト管理契約、支払いつながり誇りこころ地元の技写真:太田拓実鬼塚電気工事株式会社様[大分県大分市]CASE2大分市に本社を置く鬼塚電気工事株式会社様のZEB、文化、地域循環など多様なテーマが込められたオフィス新築プロジェクトです。インテリアには内田洋行の既製家具プラットフォームに地元の製材所で加工した杉材を組み合わせ、地域産材による木質化を目指しました。また、メセナ活動として地元アート作家の作品展示、屋上緑化、地域災害拠点建物などの機能をもち、オフィス全体が地域に根ざしたものになっています。高畠町屋内遊戯場もっくる様[山形県高畠町]CASE1高畠町屋内遊戯場「もっくる」は廃校になった中学校の体育館を改修した屋内遊戯施設です。木育を基本とした子育て支援を目的として、暑い夏や雪深い冬なども四季を通じて親子で遊ぶことができます。また、子育てを中心とした地域の連携が生まれるように設計プロセスを通じて地域の方々とともに創りあげました。床暖房を完備した2歳児までの乳児専用の木育広場、約5,000個の木製ボールを入れた巨大プールや高畠町出身の童話作家・浜田広介の物語をモチーフにした木質空間の遊び場があり、高畠町だけでなく山形県内外から来場者が訪れます。写真:太田拓実▲リノベーション前の体育館
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